今回(第6回)は、コロナウイルスによる隔離を経て、初の対面式の会議を開く予定です。隔離の経験から、今回の会議の特別テーマは、「つながり」と「きずな」の日本文化とし、一般テーマは日本文化に関わる研究全般とします。基調講演者は家本太郎 先生(京都大学国際高等教育院)を予定しています。
日程・場所
日程:2025年3月22日-23日
場所:国立台湾大学構内 (凝態物理館1F 楊金豹演講廳)
テーマ 「つながり」と「きずな」の日本文化
①趣旨説明
コロナパンデミックによる長期的な隔離生活は、人々が日々当たり前に享受していた「つながり」と「きずな」の重要性を改めて顕在化させた。本会議で“「つながり」と「きずな」”の日本文化をテーマとするのは、交流が制限された状況下で浮き彫りとなった関係性や連帯の本質的なあり方を、多面的に考察するためである。日本文化は古来、多様な歴史的背景と社会的文脈の中で、内外双方において柔軟な結びつきを育んできた。本テーマの下、会議では歴史、言語、芸術、宗教など多領域にわたって形成される「つながり」と「きずな」の具体相を探求し、それらがいかに社会や文化を支えてきたかを問い直す。パンデミック経験を経た今だからこそ、日本文化に内在する「つながり」と「きずな」を再評価することは、一層大きな意義を持つと考える。
②基調講演
講演者:家本太郎先生(京都大学国際高等教育院准教授)
タイトル:日華交流史管見
概要:帚木蓬生(作家・精神科医)の日本史の関する諸作品(『日御子』、『国銅』、『守教』、『襲来』や『沙林−−偽りの王国』)および東洋史学者内藤湖南の史的枠組み(『日本文化史研究』)を軸に、中華(漢語)文化の受容・理解・態度に触れつつ、日華交流史の諸相・日本人の自意識・歴史観を管見したい。また、箒木の「ネガティブ・ケイパビリティ」を参考に、交流のあり方、学術研究における研究者とアマチュアのあるべき関係にも言及したい。
主催 (敬称略)
アジア日本研究ネットワーク
委員長 呂 佳蓉 (国立台湾大学 言語学研究所)
事務局 河合淳子、佐々木幸喜(京都大学)、西島薫(小松大学)、張子康(長崎大学)
参加者
アジア日本研究ネットワーク会員、台湾大学教員と学生、各国の日本研究者(会員の紹介による)